ボクの考えた最強のゲームボーイアドバンス

更新日: 2023年4月5日
公開日: 2021年9月6日
最強ゲームボーイアドバンス サムネイル

先日ご紹介したIPS液晶ゲームボーイカラーを作ったら、IPS液晶が綺麗すぎて手持ちのAGS-101液晶のGBAが急に色褪せて見えてきた。

そこで今回はイギリスが拠点のレトロゲームのカスタムパーツショップRetroSixで注文したパーツでIPS液晶v2、大容量スピーカー、高品質シェル、高品質ボタン、LEDボタンを実装した最強のGBAを作成してみたので自慢&レビューをしていきたいと思う。

各パーツの取り付け方法はRetroSixのサポートページに詳しく書かれているのでここでは割愛する。

購入した商品

IPS液晶v2

IPS液晶だけRetroSix製ものではなくAliExpressで販売されているものを使用しています。理由はAliExpressのほうが2500円も安かったからです。v2(バージョン2)とv1の違いは、v2の方が画面サイズが少し大きくなっており、v1にあった残像問題が解決されています。GBA標準液晶との違いは、バックライト付きなので画面がとても明るくて視野角も広く、解像度も4倍大きいのでとても鮮明に映ります。IPS液晶ブラケットはIPS液晶を本体に固定するのに使います。なくても固定はできますが、これがあった方が綺麗かつスマートに取り付けることができます。スクリーンは、標準のプラスチック製よりも傷が付きにくいガラス製で、サイズもv2適合のものを使用しています。

巷ではv3などというものが出回っているようですが、v3に関しては下記のサイトで詳しく解説がされています。

IPSバックライト液晶V3がリリース? (ヒミツノバ)

結論から先に言うと、IPS液晶のv3などというものは存在しないそうです。あと気になった点は、上記のヒミツノバの記事AliExpressの商品ページの説明が正しいとすると、RetroSixのIPS液晶の商品ページに載っている商品画像のIPS液晶はフェイク品だということになるのですが、一体これはどちらが正しいのか…ただ実際にAliExpressのv2と思われるIPS液晶を使った者の感想としては残像もチラつきもなく、今のところは特に問題なく使えています。

大音量スピーカー

クリーンアンプを取り付けることで音量を通常の2倍まで大きくすることができます。しかしこのままだとノイズが発生してしまうので、ノイズ除去キットを取り付けることでノイズを除去します。スピーカー自体は標準のものと特に違いはありませんが何となく購入しました。

高品質シェル

RetroSix製の高品質シェルです。商品説明によるとこちらのシェルは開発に1年を費やし、日本製のABS樹脂が使用されているため標準のシェルよりも丈夫で、フィット感も優れているとのことです。

高品質ボタン

RetroSix製の高品質ボタンとラバーパッドです。ラバーパッドについては、ラバーパッド自体は基本的に長く使っていると押下時の感触が柔らかくなっていき、反応も悪くなってしまう消耗品です。商品説明によるとこのRetroSix製のラバーパッドは他のサードパーティ製のものよりも純正の感触に近く、反応も良いとのことです。ボタンについては、高品質シェルと同様で日本製のABS樹脂を使用しているためフィット感がオリジナルのものよりも優れているとのことです。

LEDボタン

このLEDトリガーキットを取り付けると、L・Rボタンを押した時にボタンを青く光らせることができます。ボタンを光らせてもボタンが白色のままだと意味がないのでクリア(透明)のボタンも一緒に購入しました。

最強のゲームボーイアドバンスをレビュー

IPS液晶に関しては、発色も良くドットもくっきり映っており、まるでエミュレータの画面をGBA本体に埋め込んだかのような印象を受けるほどだ。

ゲームボーイアドバンス IPS v2 太陽光

明るさを上げれば太陽光の下でも綺麗くっきりで反射による映り込みもない。こちらの写真だと僅かにノイズのようなものが映り込んでいるが肉眼で見るとノイズなどは一切なくとても見やすい。

ゲームボーイアドバンス IPSv2 VS AGS-101

こちらは数年前に作ったAGS-101仕様のGBA(左)とIPS液晶仕様のGBA(右)を並べた様子だ。

実際に肉眼で見比べてみるとAGS-101の方はどうしてもドットの粗さが目立つがIPS液晶の方にはそれがなく、発色も良くて視野角も広い。

液晶サイズもIPS液晶の方が少しだけ大きくなっており、実際に定規でサイズを測ってみたところ、IPS液晶の方が横4mm 縦3mmほど大きくなっていた。

ゲームボーイアドバンス LRボタンLED

LRボタンを押すとLEDスイッチが反応して青色に光るようになっている。こちらの写真だとかなり濃い青に写っているが実際はここまで濃い青色ではない。LEDスイッチは世の男性諸君の中に眠るの中二病的な心をくすぐられる改造だが、LRボタンを多用するゲームをしているとボタンを押す度に毎回光るのはかなり煩わしいというのが正直な感想だ。こちらは飽きたらいずれ取り外すことになるだろう。

シェルに関しては、どちらかと言えば純正シェルのさわり心地がつるつるしているのに対し、このシェルは少しざらざらした印象を受ける。個人的には以前に「めちゃ見やすい!ゲームボーイカラーIPS液晶化のすすめ」の記事でご紹介したGBCの中華製シェルの方が好みだが、これは完全に各々の好みの違いだろう。シェル自体の噛み合わせはかなり良く、中華製の粗悪品にありがちなネジの締める強さでボタンの押し心地が変化したりといったようなことは一切なかったので、製品ページに記載されていた通りその辺りの精度にはかなりの拘りを持って設計しているようだ。

ボタン類に関しては、LRボタンはカチカチとしっかり押した感触がしてかなり押しやすい。これはボタンもシェルも同じRetroSix製でボタンとシェルの噛み合わせが良いおかげだろう。十字キーに関しても標準のボタンやAliExpressで買った中華製のものよりもカチカチと押した感触があって良い感じだが、ABボタンに関してはいたって普通の押し心地で可もなく不可もなくといったところだろう。

スピーカーに関しては、クリーンアンプのおかげで最大音量が2倍になったので実機でのゲーム音楽鑑賞が捗りそうだ。

しかしここで問題が発生。

音量を一定の値以上にすると、かすかにホワイトノイズが発生している。ノイズ除去キットがうまく取り付けれていないのだと思い、目視やテスターも使って何度もハンダの接点を確認し、RetroSix公式Discordでオーナーにも質問をしてみたが、当のオーナーは「ボリュームの可変抵抗と電源スイッチの清掃をしろ」の一点張りで、KUREのエレクトロニッククリーナーをいくらブッかけまくっても状況は改善されず、結局この問題はいまだ未解決のままだ。

真の最強を手に入れるにはまだ課題が残る

IPS液晶に関しては謎のv3の存在やフェイク品の存在など情報が錯綜しているが、現状ではAliExpressで販売されているv2で何の問題もなく使えている。IPS液晶は標準液晶と比べるとその美しさは天地の差で、AGS-101液晶と比べても相当綺麗になっている。

ボタンやシェルに関しては数年前にAliExpressで買ったものより品質は良いが、そこまで違うかと聞かれると言うほど大きな違いは感じない。中華製のシェルやボタンでもたまに良いものがあるので、RetroSix製の方が特段優れているというわけでもないというのが率直な感想だ。ただ下手な中華製のものを買って噛み合わせが悪くて調整に苦労するくらいならRetroSix製のものを買ったほうが安牌だろう。

スピーカーの問題は追って検証と試行錯誤を進めていきたいと思う。

他の改造ゲームボーイ関連の記事を見たいという方はゲームボーイタグ改造タグから読むことができるのでご参照頂きたい。

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ほぼ日刊イトイ新聞
任天堂社長、そしてMOTHER2のプログラマでもあった故・岩田社長の本