大阪・中崎町にある「エレメカ研究所」で昭和レトロを堪能
夏も終盤、秋の訪れを感じるシルバーウィーク真っ只中に、大阪・中崎町にある「エレメカ研究所」で昭和レトロなエレメカを堪能してきた。
エレメカとは「エレクトロメカニカルマシン」の略で、アーケードゲームの中でもビデオゲーム、メダルゲーム、ピンボールを除いたゲーム機のことを指す。ゲームセンターでビデオゲームが全盛を迎えていた1990年代に子供時代を過ごした平成レトロな世代でも駄菓子屋やデパートのゲームコーナーでお目にかかったことがあるという人も多いだろう。
こちらのエレメカ研究所は元々、大阪市の大阪駅前第2ビルの地下にあったゲームセンター「GAME ZERO」が閉店し後に、同市阿倍野区・文の里商店街でエレメカを専門に取り扱う「エレメカ研究所」として復活し、その後にここ中崎町に移転してきた経緯がある。
近年の中崎町はレトロなカフェ、古着屋、雑貨店などインスタ女子にも人気のオシャレスポットになっており、昭和レトロなエレメカ研究所が店を構えるにはうってつけのエリアと言えるだろう。
同店は「だいたい12時〜17時過ぎ 毎日営業」しているようだが、当日になって急にお休みをすることもあるので、来店の際は公式Twitterを確認してから行くと良いだろう。
まるで秘密基地!路地裏に突如あらわれた楽園
大阪メトロ谷町線「中崎町駅」4番出口、またはJR大阪駅・梅田エリアから都島通を通って中崎1交差点の手前を左折して細い路地裏に入ると、すぐ左側に中華料理店が見えてくる。その中華料理店の横の脇道を覗くとそこにエレメカ研究所はある。
店内からは年季の入ったオバケのQ太郎が顔を覗かせている姿が見える。
この隠れ家的な佇まいがレトロスポットを求めてやってきた我々のワクワク感をより一層掻き立ててくれる何とも粋な演出になっている。
料金システム
2022年12月23日現在、エレメカ研究所の営業形態が以前の「ゲーム博物館」から「ゲームセンター」に変わったことにより入場料無料で入館できる。
2021年9月の訪問時は「ゲーム博物館」として営業していたため、入場時に200円の入場料が発生していた。以降の記述は、まだ200円の入場料が発生していた「ゲーム博物館」時代の当時の様子についてのレポートになる。
最初に入場料として200円を払うと、1枚につきゲームを1回遊べるゲームコインが3枚貰える。
このゲームコインは、館内で稼働しているゲームで特定の点数を叩き出すと払い戻しがされるので、自分が得意なゲームだとコイン1枚で永遠に遊ぶこともできてしまう。
入口にあるオバケのQ太郎に入場料の200円をお布施するとオバQが動き出し、10秒ほどすると横の機械からカプセルが払い出されるので、それを持って店内に入ってすぐ右にあるカウンターで店員に渡すとゲームコイン3枚と交換してもらえるようになっている。
因みにこの動くオバQに乗ることもできるが体重制限が60キロまでとなっており、ご丁寧に「60キロ以上で潰れます」というどこか癖のある注意書きが掲示されている。
追加でゲームをプレイしたい場合はこちらの両替機で両替もできる。
しつこいようだが、入場料が発生していたのは「ゲーム博物館」として営業していた2021年9月の訪問時の話であり、2022年12月23日現在は「ゲームセンター」として営業しているため入場料無料で入館することができる。
昭和時代にタイムスリップしたかのような店内
エレメカ研究所では2021年9月現在、合計38台のゲーム機が稼働している。
「山のぼりゲーム」や「国盗り合戦」などの平成初期世代でも馴染みのある定番ゲームから、戦前に作られたという1円パチンコならぬ「一銭パチンコ」や「100年近く前のアメリカのクレーンゲーム」などという訳のわからないくらい古い国宝級のものまで展示されており、しかもそれら全てが実際に触って遊べてしまうのだから驚きだ。
また店内ではゲーム機以外にも、昭和時代の名作映画のポスターや、縁日の屋台でよく見かけた著作権がなんぼのもんじゃいと言わんばかりのアニメ・特撮キャラクターのお面など様々な昭和グッズが展示されており、当時を知らない世代でもどこか懐かしく感じてしまうレトロな雰囲気を上手く演出している。
店舗の入り口付近には昭和の匂いがするものなら何でもOKとでも言うように統一感など微塵もない展示物が陳列されているが、昭和レトロを求めてやってきた私達にとってはこのカオスな様相が逆にどこか心を落ち着かせてくれる。
当館を訪れる前は、てっきり館内は昭和を懐かしむオジサマたちの憩いの場になっていると思っていたが、実際に私が行った時は2組のカップルと3人組の男性グループで全員20代〜30代の若い世代ばかりだった。昨今の昭和レトロブームの影響なのか、当初のイメージとは真逆で当館は完全に中崎町のレトロなカフェや洋服屋などのオシャレスポットの中に溶け込んでいるという印象だった。
さすがにここですべてのゲーム機を一台ずつ紹介するわけにはいかないので、以降では「個人的に気になったゲームBEST 3」を紹介していく。
個人的に気になったゲームBEST 3
3位: カエルのうた
レトロゲーセンでは「ミニドライブ」と並んで定番のこのゲーム。3つのボタンを押して弾いたボールをカエルの口の中に入れるという非常にシンプルなゲームで、カエルが「ケロケロ」と野太い声を鳴り響かせながら流れるピコピコ音なBGMが良い味を出している。
このゲーム機も貴重であることは間違いないが今でも比較的多く残っており、大阪市内だとレトロゲーセンで有名な「ザリガニ」などでも遊ぶことができる定番ゲームだが、ご多分に漏れずこれが設置されているのを見るとテンションが上がってしまう。
因みにメンテナンスが行き届いていない筐体だとボールがうまく飛ばないものもあるが、こちらの筐体はボールもしっかり飛んで状態もバッチリだった。そして筐体内では何故かニモがぶら下がっていた。
2位: 昭和美女列伝
控えめに言ってわけのわからないこのパチンコ機。
周りに置かれている正真正銘のレトロな筐体の中でもひときわ「レトロ」なオーラを放っており、ひと目見ただけで貴重なことだけは伝わってくるが、こちらは1円パチンコならぬ「一銭パチンコ」といって当時は現金を直接ゲーム機に入れて遊ばれていたそうだ。
筐体と一緒に掲示されていたパチンコ雑誌か何かの切り抜きと思われるこちらの記事に詳しい解説がされているが、結論から先に言うとこの記事でもこの筐体の詳細はおろか、特徴的な顔立ちの山田五十鈴を除いて盤面に描かれている「美女」の特定すら困難と結論づけているほどの謎ぶりである。
また筐体の土台部分には、これまた良い意味で癖のある張り紙が一瞬遊んでみようと血迷いそうになった自身の心を引き止めてくれた。
そんなわけでよくわかないが、そのよくわからなさが逆に興味をそそられるこちらのパチンコ機を第2位にランクインさせて頂いた。
1位: NINJA GUN
時間内にひたすら忍者を撃ち落としていく射撃ゲームだが、これがシンプルにおもしろい。他にもたくさんゲームがある中、つい夢中になって3回もプレイしてしまったので第1位とさせて頂いた。因みに80点以上でもう1ゲーム無料で遊べるようになるところ、最高で35点ほどしか取れなかった。
プレイ中の写真は撮影できなかったが、イメージとしてはゲーム&ウォッチなどのLSIゲームの大きい版のようなゲームで、忍者の形をした光るシルエットが現れてそれを銃でひたすら撃ち落としていくという内容で弾は無制限に撃ちまくれる。
ゲームのタイトルと筐体のデザインから一瞬自分が”NINJA”になったかのような錯覚に陥るが、プレイヤー自身が忍者というわけではなくあくまで忍者を撃ち殺す側であることにも留意しておきたい。
余談だが、私がこのゲームを遊んだ後に若い女性が一人で入館してきて、そのままほぼ一直線にこの「NINJA GUN」に近づいて、まるで本日の引き金のメンテナンス具合を確かめるかのようにカチカチと数回引き金を引いた後に、このゲームをプレイしてあっさり75点を叩き出した後、写真をパシャパシャと数枚撮って去って行った。ここに一人で来る若い女性という時点でかなり稀有な存在な気がするが、あっさりと高得点を叩き出して早々に去っていく後ろ姿は、やれインスタ映えなどと騒ぐ今ドキ女子とは一線を画すオーラを放っているように感じられた。
レトロでお財布にも優しい「エレメカ研究所」は、大阪に来た時は一度は訪れたいおすすめスポット
エレメカ研究所は大阪メトロ谷町線「中崎町駅」から徒歩2分、梅田エリアからも徒歩10分ちょっとで行くことができるアクセスの良さで、入場料の200円で3回無料でゲームが遊べる上に1プレイあたり10円という超絶リーズナブルな価格で遊べてしまうので、レトロなゲームや雰囲気を味わいたい人は是非訪れたいスポットです。
周辺の中崎町エリアは他にもオシャレでレトロなカフェや古着屋や雑貨店なども多数あるので、同店を訪れた際は周辺をぶらぶら散策してみることもおすすめします。
帰りは私が梅田に来た時はほぼ毎回訪れる人気のパン屋さん「ROUTE271」でパンを買ってベンチで食べて帰りました。こちらの写真は同店の人気メニューのひとつの「タイ風焼きそばパン」です。
いつ来ても行列ができている上に、人気商品はなるべく早い時間帯に来ないと売り切れてしまうので来店の際は注意が必要ですが、梅田に来た時はこちらのROUTE271にも立ち寄ることもおすすめします。